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【フランス電力】据置:AA /安定的 ニュースリリース | 日本格付研究所 JCR 15i0044

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15- I- 0044 201 5 年 10 月 30 日 株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。

電力

(証券コード:−)

【据置】

外貨建長期発行体格付 AA+

格付の見通し 安定的

債券格付 AA+

■ 格付事由

(1) 原子力発電を中核とする世界最大級の発電能力を有するフランスの電力会社。格付は、フランス政府のエ ネルギー政策の根幹を担う電力会社として享受している政府からの強力な支援、国内の強固な事業基盤な どを評価している。一方、格付は原子力発電関連を中心とした高水準の設備投資、国内規制下にない国外 事業の保有などにより制約されている。当社のフランスの電力業界における重要性は高く、政府からの強 い支援は今後も維持されていくとみられる。業績は堅調に推移しており、比較的良好な財務構成を維持し ている。以上から、格付を据え置き、格付の見通しは安定的とした。

15 年 7 月に当社は経営難に陥ったA reva の原発事業(評価額は27 億ユーロ)の株式を51%から75%取 得することで合意した。買収金額は当社の事業規模と比して小さく、フィンランドにおける欧州型加圧軽 水炉(E PR)建設に関連したリスクについては当社が責任を負わないことなどから財務への影響は現時点 で限定的と考えられる。しかしながら、設備投資はフランス国内における原子力発電所の安全対策強化策、 フラマンビルの E PR 運開時期延期による建設費用増、英国における中国広核集団(C GN)との合弁によ る E PR 建設計画などにより今後も高水準で推移するとみられ、純有利子負債の増加が予想される。こう したことから、現状の財務構成の維持には資産売却が必要とみており、その進捗に注目している。 (2) 当社は 1946 年に全ての発電および送配電事業を国有企業に集中させる国の方針により、電力の独占事業

者として商工業公益事業体の形態で設立された。国内発電量の 4 分の 3 程度を供給する 19 カ所、58 基の 原子力発電所を所有するなど、原子力を中心とした国のエネルギー政策の根幹を担っている。04 年に株 式会社化された後も政府が大株主となっており(出資比率は 14年 12 月末現在 84. 49%)、その出資比率 は法律により 70%以下に引き下げることができないこととなっている。14年 3月に政府の出資に関わる 新たな法律である“ F lorange” 法が施行された。政府の当社に対する出資比率に変化がない場合、この法 律により政府の議決権比率は 16 年にも上昇する見通しである。18 名から構成される取締役会のうち 6 名 を政府代表が占めるなど、政府との関係は強固である。

オランド政権は、15年 7月にエネルギー転換法を成立させ、2025年までに発電構成における原発依存度 を引き下げる方針(75%→50%)である。原子力発電所の運転期間を 40 年とした場合、25 年までに 30 基程度の原子力発電所が運転停止となる見込みであり、同目標の達成は容易である。同法案では、原子力 発電容量の上限を現状の 63.2GW に設定している。フラマンビルの E PR が運開した場合には、同政権が 16 年までの運転停止を公約としていたフッセンハイム原子力発電所など同等の発電能力の原子力発電所 の運転停止が必要となる。今後も電力需要が緩やかに拡大していくことや代替電源の開発状況を勘案する と原発依存度を大きく引き下げることが可能かどうか現時点では不透明である。

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発電市場で最大の市場占有率を有している。ヒンクリーポイントとサイズウェルにおいて C GN と合弁で E PR を 4 基建設する予定である。イタリアでは電力・ガス大手の E dison を通じて、発電市場の 6. 6%、ガ ス 市 場 の 17. 9% の シ ェ ア を 有 し て い る 。 そ の 他 の 事 業 で は 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 発 電 子 会 社 E DF E nergies Nouvelles を通じて北米や欧州を中心に風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギー発電の強 化を図っている。また、中国台山で C GN との合弁で E PR を 2 基建設中である。

(4) 収 益 は 強 固 な 事 業 基 盤 を 有 す る 国 内 事 業 に 牽 引 さ れ 、 堅 調 に 推 移 し て い る 。 14 年 の 全 社 の 発 電 量 は 、 623.9T Wh と欧州の暖冬の影響によりやや減少した。これにより 14/ 12 期の売上高は、前年比 1. 4%減の 728 億ユーロとなった。しかし、E BIT DA はエネルギー費用がフランスを中心に減少したことなどから、 6. 5%増の 172 億ユーロとなった。15/ 12 期第 2 四半期累計の E BIT DA は前年比で概ね横ばいとなっている。 16 年から企業向けの規制料金の一部が撤廃され、収益にやや下方圧力がかかるものの、送電料金などそ の他の規制料金の引き上げが見込まれるため業績への影響は小幅にとどまるとみている。

(5) ハイブリッド債の起債などによる資本強化策などから比較的良好な財務構成を維持している。純有利子負 債は、14/ 12 期末の 342 億ユーロから 15/ 12 期末第 2 四半期末には設備投資の増加を主因に 375 億ユーロ に増加した。15/ 12 期末第 2 四半期末の純有利子負債/ E BIT DA 倍率は 2. 1 倍と 14/ 12 期末の 2. 0 倍からや や上昇したが、会社目標の 2. 0- 2. 5 倍のレンジ内に収まっている。設備投資は、原子力発電所の安全対策 強化やフラマンビルの E PR 建設費増加など、当面は高水準で推移するとみられ、純有利子負債の増加が 今後見込まれる。これに対し、当社は資産売却を通じて純有利子負債の圧縮を計画している。現状の財務 構成の維持には、資産売却の実施が必要とみており、国内外で売却可能な資産を多く有していることから、 今後の売却の進展に注目していく。また、当社は潤沢な流動性(15/ 12期第 2四半期末:269億ユーロ) を有しており、国際資本市場への良好なアクセスを維持している。

(担当)内藤 寿彦・幾島 真 ■ 格付対象

発行体:フランス電力 (E lec tric ité de F ranc e S .A.) 【据置】

対象 格付 見通し

外貨建長期発行体格付 AA+ 安定的

対象 発行額 発行日 償還期日 利率 格付

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格付提供方針に基づくその他開示事項

1. 信用格付を付与した年月日:2015 年 10 月 27 日

2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:藤本 幸一

主任格付アナリスト:内藤 寿彦

3. 評価の前提・等級基準:

評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類

と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。

4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:

本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、

「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)、「電力」(2015 年 4 月 23 日)として掲載している。

5. 格付関係者:

(発行体・債務者等) フランス電力 (E lectricité de F rance S. A . )

6. 本件信用格付の前提・意義・限界:

本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。

本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性

の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外

の事項は含まれない。

本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま

た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入

手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。

7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:

・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表

・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明

8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:

J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、

独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、 当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。

9. J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし

■留意事項

本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また

はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、

的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また

は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、

金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因

のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ

って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも

のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として

発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ

を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。

■NR S R O 登録状況

J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ

スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。

■ 本件に関するお問い合わせ先

参照

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